水尾 順一

定価: ¥ 987
販売価格: ¥ 987
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おすすめ度:

発売日: 1998-04
発売元: 中央公論社
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化粧品のブランド史―文明開化からグローバルマーケティングへ (中公新書)は久しぶりに自分のお金を出して購入した書籍です。いつもはお友達の持っている本を借りたり、図書館で読んだりするんですけど、この化粧品のブランド史―文明開化からグローバルマーケティングへ (中公新書)は久しぶりに自分で購入して読んでみたいと思いました。
なぜならある雑誌に掲載されていた書評を読んだからです。また、次の日にネットで検索をしてレビューを読みました。そして思ったんです、「早く読んでみたい」と。
私自身がそうだったのですが、この化粧品のブランド史―文明開化からグローバルマーケティングへ (中公新書)を読んだ後はきっとあなたの世界観を180度変換してくれると思いますよ。すでに多くの読者がこの1冊を評価しているところが、価値の高いことを証明してくれていると思います。
社員としての経験を踏まえて
1947年に生まれた資生堂社員の経済学博士・中小企業診断士が、主としてマーケティングの観点から(第四章は経営戦略的視点から)近現代日本の化粧品ブランドの展開を論じた、1998年刊行の本。業界全体を極力客観的な立場で俯瞰しようとしたが、結果的には資生堂に関する内容が多くなったことは、著者自身認めている。第一期=明治維新?関東大震災期は、洋風化と科学技術の導入、無鉛白粉の創製と斬新な広告の導入に特徴づけられる。次いで第二期=敗戦までの時期は、ボランタリーチェインシステムの導入、販売会社制度への転換、愛用者組織の形成等、制度品販売システムが、訪問販売制度とほぼ同時期に誕生する。第三期=戦後復興期?1990年頃には、再販制度の下で乱売を抑えつつ、異業種との連携によるコンビナート・キャンペーン、男性化粧品開発等を通じて、化粧品業界は高度成長の一角を担い、海外メーカーとの競合にされされつつ、卸売業再編成、専門店の業態開発を進めていった。第四期=1990年代以降は、グローバル化を背景とした薬事法規制緩和、再販制度の廃止の下で、各企業はグローバルマーケティングやマルチブランド戦略の展開、UV・美白化粧品の開発、高齢化社会への対応等の課題に直面しつつ、特に百貨店とドラッグストアでの販売拡大に期待をかけている。以上の歴史を踏まえて、著者は21世紀型企業像として、ホロン的バリュアブル・カンパニー像を提示し、企業市民として経済価値、社会価値、従業員満足価値というトライ・バリューの調和を図る必要性を主張している。全体として化粧品業界の意義を強調しすぎているような感もあるが、本書は多くの図表資料を提示しつつ、個別企業の動向と業界の大局的変化を論じており、私見では特に消費者運動・専門店業態開発の項、高齢化社会への対応・マルチブランド戦略の節が興味深かった。
日本を代表するブランド史の一面をかいま見ることができます
明治以降の日本の化粧品産業におけるブランディングの歴史がコンパクトにまとめられています。
それは紅と白粉から化学の結晶、そして天然成分への回帰という化粧品の素材の進化の歴史であり、UVや美白といった機能の進化の歴史であり、店販から訪問販売、通信販売といった流通の歴史でもあり、昭和初期のモダンガールから水着のキャンペーンガールが彩った広告の歴史であり、セールスプロモーションの歴史であり、ブランドの歴史でもあります。
それはすでに化粧品という一分野のブランド史を超えた存在であり、本書からは日本におけるマーケティング、ならびにブランディングの歴史を垣間見ることができます。
化粧品に関係するしないに関わらずマーケティングに携わる方におすすめの一冊です。
